マイナンバー記入の強制等の事例収集中間報告(2)
行政機関関係の事例
【1】行政機関関係の事例
1)記入の強制等
記入しないと手続きできないと言われた例や、申請をする弱い立場のため記入を拒むとサービスが受けられなくなるのではないかという不安、行政機関での個人情報の扱いに対する不安や疑問、マイナンバーカードの申請をしながら1割以上の方が受け取らないままになっている実態も、各地から伝わっています。
*税務署に医療費の還付金の申請をした際に、マイナンバーがないと受け付けられないと言われた(2017.2東京 #01)Tweet
*生活保護申請時に記入を断ると、「保護決定できない」と言われてやむなく記入。担当職員は「2017年7月から、番号記入がなければ決定にエラーが出るシステムが動く」と言っていた。申請者の立場からすれば、データが漏洩すると貧困ビジネスの格好の標的になるのではないかと、非常に危惧をしている。(2016.10京都 #02)Tweet
*パワハラでうつ状態になり仕事ができなくなり生活保護申請した際に、マイナンバーの記載を求められ、カードを携帯していないので分からないというと、役所で調べるのでその承諾書を書いてくださいと言われた。生きるか死ぬかの不安な立ち位置に立たされている以上、承諾するしかなく書いた。(2016.11東京 #03)Tweet
*保育園の入園継続・新規申込みに際して、マイナンバーの記入がないと手続きできないと言われた(2016.11熊本 #04)Tweet
*難病の医療費助成の医療証更新手続き書類でマイナンバーの記入を要請され、拒否したところ、来年は保険証がでないかもしれないと言われた(2017.1山形 #05)Tweet
*保育園の継続申請を提出した際、記入を拒否したら、半分馬鹿にしたような態度で「これで保育料を決めたりします。まあまあお願いですから書いてくださいよ」とたしなめるように記入を迫られた。子どもを預けたい弱い立場で仕方なく保護者のマイナンバーを記入したら、家族全員分の記入を求められた。収入のない子どもの番号を書く必要があるのか、子の情報が漏洩したら今後何十年も生きていく上で不利益になるのでは。「個人番号の記入漏れにご注意ください」との注記で、拒否したら納税者でも公的機関の利用ができなくなるのかと心配。(2017.1鹿児島 #06)Tweet
*自立支援医療(精神科の通院医療費助成)の更新手続きの際に、番号の記入がないと手続きできないと言われた。しかし精神疾患を抱え漏洩するかもしれない番号を書くのは絶対に嫌で悩んでいる最中です。大変なストレスです。(2017.2東京 #07)Tweet
2)収集、管理への不安
*千葉県大網白里市のマイナンバー流出事件を追及してほしい。(2016.12千葉 #08)Tweet
2016年12月13日、大網白里市は死亡した市民男性のマイナンバー通知カードなど、個人情報が記載された書類3点を窓口で他人に誤交付するミスがあったと発表。
*市役所で申請人が別世帯である通知カードの再発行の際、事務処理要項に定められた市民から提示されるべき本人確認書類がすべて揃っていないにも関わらず、書類を受け付けていた。マイナンバーを運営、管理する側でもマイナンバーを扱う最低限の規則も守れていない状態。国や行政機関は信用できないのでこちらに御報告する。(2016.3東京 #09)Tweet
3)マイナンバーカードの取得強制の事例
マイナンバーカードの申請をしながら1割以上の方が受け取らないままになっています。市町村が問い合わせると「申請しなければいけないと思ったので申請したが、任意ならいらない」と言われたという実態が、各地から伝わっています。
*戸籍謄本や住民票を申請したら、窓口職員に「マイナンバーカードはいいものだし、皆さん作るんですよ」と作成を説得された。顔認証の話をされ激怒した老父は体調を崩した。(2017.3神奈川 #10)
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*子が戸籍謄本を取りに行った際にしつこくマイナンバー個人カード取得を勧められ、とても不愉快な思いをし、国に不信感を抱いたそうです。(2017.3東京都 #11)Tweet
文科省の非常勤職員採用案内に「採用後は、マイナンバーカードを身分証として使用することとしていますので、あらかじめカード取得の手続をしていただくことになります」と記載されている。マイナンバーカード取得は任意で、国の機関では取得していなくても代替措置として紙による身分証明証と一時通行証を発行していることを、2017年3月3日に内閣官房に確認しています。
強制事例収集の「中間報告」
共通番号いらないネットでは、マイナンバーの記入を強制するような対応の是正を関係機関に求めるために、2016年11月からホームページで「強制事例等」の報告を呼びかけたところ、3月10日までに36件の報告が寄せられました。いずれもマイナンバー記入への疑問と、不当な扱いをなんとか是正してほしいという強い期待が込められた報告でした。
その他私たちに寄せられる電話や学習会などでの質問・報告をうけ、私たちは »リーフレットNo.4 で不当な対応が行われていることを世論に訴えるとともに、それらへの対応策を示しました。また関係省庁や機関に対して、これらの是正を求める取り組みをしています。
»強制事例等収集サイト は、2017年3月31日までを第1期の収集期間としています。マイナンバー制度の中止・廃止をめざして引き続き報告を呼びかけます。
2017年3月12日
共通番号いらないネット事務局
<寄せられた報告の集計>
中間集計日:2017年3月10日
総数:36件
地域:東京都をはじめ熊本県、横浜市、三重県、鳥取県、山梨県、沖縄県、茨城県、長野県、埼玉県、千葉県、山形県、京都府、鹿児島県、岡山県、北海道、神奈川県、兵庫県など全国に及んでいます。
事例の発生時期は2016年10月以前が12件で、その後は11月7件、12月5件、1月6件、2月5件、3月1件となっています。