post by oooka at 2017.9.8 #190

年金機構の共通番号の記入は必要ない
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書・個人番号申出書に
番号を記入したくない方へ
先日、日本年金機構から「平成30年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」兼「個人番号申出書(平成29年分扶養親族等について)」の書類が届きました。9月29日までに返信するように書いてあります。
私は書かずに提出することにしました。何故って? 年金機構は以前個人の情報を流出し問題になった所でまた漏洩するかもしれません。それにいろいろと調べてみると共通番号は書かなくても受け付けてくれるからです。(大岡律)
私は書かずに提出することにしました。何故って? 年金機構は以前個人の情報を流出し問題になった所でまた漏洩するかもしれません。それにいろいろと調べてみると共通番号は書かなくても受け付けてくれるからです。(大岡律)

また上記「申告書と申出書」には「手引き」という書き方の8ページのパンフレットが同封されていました(右の写真。イメージをクリックすると拡大/縮小します)。
1. マイナンバーは個人のもの
私は世帯主ですが、マイナンバーは個人一人一人に振られています。従って管理は個人個人の自由意思で行われるものと思います。ここに日本では世帯と言う家制度の痕跡を見ることご出来ます。扶養家族と言う家制度の名残のような、同一世帯が同じ傘の下に入る扶養家族(制度)と、個人個人が独立し、一人ひとりに振られた個人番号の相性は明らかに合いません。
従って私は連れ合いの番号を(たとえ知っていたとしても)同一の書類に書くことは、連れ合いの権利の侵害であり、同一世帯一枚の申請書を作成した年金機構の感覚に異議を唱えたいと思います。
2. マイナンバーを普通郵便で送ってよいのか!?

そして更に「「扶養親族等申告書」の提出は、電子申請でも手続可能です。」とあります。注ではこの電子申請での手続は、「申請内容の盗視、改ざん、なりすまし等を防止するために電子証明書が必要」とありセキュリティに考慮がはらわれています。
郵送の場合には切手を貼るとしかなく、本来ならマイナンバーと言うプライバシー上だいじなものを郵送するのに書留郵便(簡易書留料金310円で、合計392円)が必要なのに、郵送の場合、セキュリティには何ら言及がありません。年金機構のマイナンバーの取扱いはきわめてずさんなものです。
普通郵便でマイナンバーを教えよと言うことは漏れてもよいと言うことに他なりません。従って82円の普通便の郵送ではマイナンバーの漏えいは保証されておらず、送らなくてもよいという扱いと考えざるを得ません。
3. 税と社会保障の一体化
共通番号は「税と社会保障の一体化」という大原則から導入したと聞いています。年金機構の申告書は社会保障のためのものですが、税(納税)の方はと言えば、共通番号は納税の申請には必ずしも必要ないのです。従って社会保障の届け出も納税の届け出時と同じく、社会保障の申告・申請時にも共通番号は必ずしもなくてよいはずです。一体化ですから入口と出口は同じ制度設計でなくてはいけません。
4. 国税庁ホームページの説明
税の法定調書については、「社会保障・税番号<マイナンバー>制度導入直後の混乱を回避する観点などを考慮し、申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも受理する」とあります。»国税庁 番号制度概要に関するFAQ(Q2-3-2「申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号を記載していない場合、税務署等で受理されないのですか」
5. 制限事項:確認を求められることになりそう
ただし、»「『個人番号申出書(平成29年分扶養親族等について)』の記入方法」(2ページ目)では、「配偶者、扶養親族の個人番号について「個人番号(マイナンバー)を必ず記入してください。記入いただけない場合、確認のため申出書をお返し、再提出をお願いすることになります。」となっています。従って、改めて記入を求められることにはなると思われます。
6. 再確認を求められたら
「共通番号いらないネット」は省庁交渉(各省庁とのヒアリング)の場を設けて、疑問点を問い正しました。「未記入で提出したことで控除が受けられないということはない」との回答を得ています(» 確定申告等のマイナンバー記載を国税庁に確認、および » 国税庁にマイナンバー未記入の扱いを再確認)。
私はマイナンバーに反対です。従って記入忘れではないことを示すために、
「マイナンバーに反対だから記入しない」
等の理由を書いて送り返すことにしました。
しかしどうなっていくかは、今後の運動次第です。提出後、また記入を求められることはあるかもしれません。
いずれにしても、空白のまま普通郵便で提出しても変わりなく受理し手続きすることになっています。


●2019.11.14
» 違法再委託によるマイナンバーの漏えいはどうなっているか
●2019.2.15
» 違法再委託問題で個人情報保護委員会に質問書
●2018.8.29
個人情報保護委員会ヒアリング報告
» (まとめ)個人情報保護委員会へのヒアリング報告
» (1) 住民税特別徴収額通知漏えいへの委員会の対応は?
» (2) 事業者の取得した個人番号の利用目的変更のQ&Aについて
» (3) 情報提供ネットワークシステムの監視は行われているか?
» (4) 日本年金機構の不適正な再委託にどう対応したか?
» 報告全文をPDFでダウンロード
●2018.9.14
» 個人情報保護委員会へのヒアリング報告
●2018.8.25
» 個人情報保護委員会ヒアリング&検討会
●2018.6.1
» 個人情報保護委員会に抗議声明
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» 個人情報保護委員会 回答を拒否
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» 個人情報保護委員会でマイナンバー制度の危険性は防げるか 2018年3月7日学習会報告
●2018.2.4
» 個人情報保護委員会へ質問書を提出しました(趣旨説明)
●2018.1.31
» 個人情報保護委員会へ質問書を提出しました
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» 2017.3.3 省庁等交渉レポート最終回 個人情報保護委員会は機能しているか





