post by nonumber-tom at 2024.9.30 #378
協会けんぽ マイナ保険証 登録解除 資格確認書 質問書 健康保険証 交付 発行 終了
「資格確認書」と「マイナ保険証登録解除」について
「協会けんぽ」に聞きます
協会けんぽに質問書を出しました。2024年12月1日に健康保険証の交付が終了されようとしていますが、現行の健康保険証は最長1年間使用できます。その後もマイナ保険証がない人には加入している医療保険の保険者から「資格確認書」が送付されます。マイナ保険証を登録している人は、保険者に利用登録の解除を申請すると「資格確認書」が受け取れます1。
これらについて、健康保険の各保険者による対応を確認するため、「協会けんぽ」に質問書を提出しました2。
これらについて、健康保険の各保険者による対応を確認するため、「協会けんぽ」に質問書を提出しました2。
●この協会けんぽあて「マイナ保険証についての質問と要望」のPDFファイルを » ダウンロード
政府が12月1日に健康保険証の新規発行を終了しようとしている中で、12月以降の保険診療がどうなるのか、不安が広がっています。厚労省は健康保険証の有効期限が切れたあとも、マイナ保険証がなくても切れ目なく健康保険証の代わりになる「資格確認書」を交付すると説明しています。またマイナ保険証を持っていても登録解除をすれば「資格確認書」を交付すると説明しています3(スライドのクリックで拡大/縮小。右クリックで原寸表示も可)。しかしマイナ保険証の利用促進ばかり宣伝し、「資格確認書」やマイナ保険証の登録解除については宣伝していません。
そのような中、加入者4000万人の協会けんぽ(全国健康保険協会)は、9月9日から全加入者に「資格情報のお知らせと加入者情報」を会社(事業主)経由で送付しています4。しかしそこでも、「資格確認書」やマイナ保険証の登録解除については説明がありません。
そこで9月30日、協会けんぽに「資格確認書」の交付やマイナ保険証の登録解除、マイナ保険証では正しい保険資格が表示されない問題などについて質問を送りました。
そのような中、加入者4000万人の協会けんぽ(全国健康保険協会)は、9月9日から全加入者に「資格情報のお知らせと加入者情報」を会社(事業主)経由で送付しています4。しかしそこでも、「資格確認書」やマイナ保険証の登録解除については説明がありません。
そこで9月30日、協会けんぽに「資格確認書」の交付やマイナ保険証の登録解除、マイナ保険証では正しい保険資格が表示されない問題などについて質問を送りました。
全国健康保険協会(協会けんぽ)様
共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会
(共通番号いらないネット)
マイナ保険証についての質問と要望
私たちは、共通番号(マイナンバー制度)の持つ問題点・危険性を明らかにし、その廃止をめざし市民・議員・弁護士・医療関係団体などで結成され約10年になる緩やかなネットワークです。政府が12月1日に健康保険証の交付を終了すると発表して以降、私たちにも12月以降の保険診療がどうなるのか、多くの不安の声が寄せられています。
マイナ保険証の登録率はマイナポイントによって6割になりましたが、医療機関等での利用率は「マイナ保険証利用促進集中取組月間」をおこなっても8月末で12.43%にとどまり、登録している多くの利用者も健康保険証を使っている状況です。
マイナ保険証が使われないのは、健康保険証にくらべ不便であり、依然トラブルが続き、個人情報の扱いに不安があるからです。医療情報の閲覧によってより良い医療が受けられることがメリットとされていますが、厚労省の調査でも「個人情報がまとまって管理されることが不安」と多数が回答しています。健康保険証の交付義務を削除する健康保険法施行規則改正のパブコメには、5万件を超える批判が寄せられました。
このような中、貴協会は9月9日から全加入者に「資格情報のお知らせと加入者情報」を送付されています。このお知らせについて、以下の質問・要望をいたします。ご多忙と思いますが、10月12日までに御回答をお願いします。また回答について私たちへの説明の場を設定してくださるよう要望します。なお質問と回答は、私たちのサイトに掲載する予定です(サイト http://www.bango-iranai.net/)。
[1]「資格情報のお知らせと加入者情報」5について
1)令和6年12月2日以降の受診方法としてマイナ保険証を使う3種と「健康保険証」の4つが記載され、「資格確認書」はその他として小さく記載されています。「資格確認書」の説明がないために、このお知らせが「資格確認書」と誤認されています。なぜ「資格確認書」の説明をしていないのですか。
2)マイナ保険証の登録をしていない加入者には資格確認書が送付され、「資格情報のお知らせ」は不要なはずです。なぜ全加入者に「資格情報のお知らせ」を送付するのですか。
3)マイナンバーの下4桁が記載されています。マイナンバーの提供ができる場合は番号利用法19条に限定列挙されていますが、今回の通知はどの条文に該当しますか。
4)マイナンバーを把握できない場合、オンライン資格確認等システムには登録されないと理解してよいですか。
[2]「資格確認書」について
1)健康保険証の利用期間が最長1年間あるとはいえ、今年12月2日以降は転職退職等で失効すると直ちに資格確認書が必要になります。いつ加入者に周知する予定ですか。
2)資格確認書の有効期間は5年以内で保険者が定めるとされています。協会けんぽでは有効期間をどのように設定しますか。またその理由は何ですか。
3)資格確認書の交付対象は、マイナ保険証を使用できない状況にあると判断した方とされています。具体的にどのような方を対象としていますか。
4)厚労省は2023年12月22日事務連絡「資格確認書の様式等について」6で、本人の申請による資格確認書の交付が想定される者として、「マイナンバーカードを紛失した者、更新中の者」と「介助者等の第三者が要配慮者に同行して資格確認を補助する必要があるなど、マイナ保険証での受診が困難な場合 等」をあげています。
マイナンバーカードの紛失や更新をどのように確認しますか。また「受診が困難な場合」をどのように確認し、交付対象として決定しますか。
5)子どもにマイナンバーカードを持ち歩かせることには不安があり、2024年秋以降は申請時に1歳未満の場合は顔写真が不要で暗証番号での利用が必要になります。保育園・幼稚園・学校での怪我や校外学習・修学旅行ではマイナ保険証の利用は困難で「資格確認書」も必要との声がありますが、交付対象としますか。
6)マイナ保険証の利用率の低迷に示されているように、マイナ保険証利用登録をしていても持ち歩き使用することに多くの市民が不安を感じています。不安が解消されるまで、マイナ保険証を登録していても「電子資格確認を受けることができない状況にある」と認めて、申請により資格確認書を交付すべきではありませんか。
7)厚労省の2023年12月22日事務連絡では、本人の申請によらない交付(職権交付)の対象者として、マイナ保険証登録をしていない者のほか、マイナンバーカード(電子証明書)の有効期限切れや返納者を例示しています。マイナンバーカードの返納や電子証明書の有効期限切れを、どのように把握しますか。また返納や有効期限切れのあと、資格確認書が交付されるまでどれくらいの期間を想定していますか。
[3]マイナ保険証の利用登録解除について
1)協会けんぽ加入者のうち、マイナ保険証の利用登録者は何%ですか。
2)10月中に利用登録解除が始まる予定ですが、いつから申請を受け付けますか。
3)マイナ保険証の利用登録解除は全加入者、少なくとも利用登録者全員に周知する必要があります。いつ、どのように周知する予定ですか。
4)利用登録解除申請は、事業主経由では雇用関係への配慮から申請が困難になるおそれがあると指摘されていますが、協会の本部・支部で受け付けますか。
[4]マイナ保険証のトラブルへの対応について
医療機関では保険資格が正しく表示されないために、患者とのトラブルが多数発生しています。会計検査院は2024年5月15日の「マイナンバー制度における地方公共団体における情報照会の実施状況について」報告7で、その一因として被用者保険の登録に時間を要し(協会けんぽは喪失で19日、取得で29日)、その原因として協会けんぽでは事業主が日本年金機構に届出て審査後に協会けんぽに情報連携する仕組みを指摘しています。
厚労省は登録の迅速化を求めていますが、この仕組みの改善はされていますか。
2024年9月30日
回答の送付は、以下にお願いします。
共通番号いらないネット担当:(略)
回答の送付は、以下にお願いします。
共通番号いらないネット担当:(略)
Note
●以下の注は、協会けんぽに提出した質問書にはありません。質問書公開にあたって付したものです。
*1 »マイナ保険証の利用登録の解除について(厚生労働省2024年2月9日)
*3 »「資格確認書の切れ目ない交付について」 社会保障審議会医療保険部会第176回(2024年3月14日)資料4 10ページ
*4 » すべての加入者様に対し資格情報のお知らせと加入者情報を送付します(協会けんぽ)
*5 »「資格情報のお知らせと加入者情報」(協会けんぽ)
*6 » 厚労省事務連絡「資格確認書の様式等について」(2023年12月22日)
*7 »会計検査院「マイナンバー制度における地方公共団体による情報照会の実施状況について」報告書(2024年5月15日)58ページ~
●2019.11.14
» 違法再委託によるマイナンバーの漏えいはどうなっているか
●2019.2.15
» 違法再委託問題で個人情報保護委員会に質問書
●2018.8.29
個人情報保護委員会ヒアリング報告
» (まとめ)個人情報保護委員会へのヒアリング報告
» (1) 住民税特別徴収額通知漏えいへの委員会の対応は?
» (2) 事業者の取得した個人番号の利用目的変更のQ&Aについて
» (3) 情報提供ネットワークシステムの監視は行われているか?
» (4) 日本年金機構の不適正な再委託にどう対応したか?
» 報告全文をPDFでダウンロード
●2018.9.14
» 個人情報保護委員会へのヒアリング報告
●2018.8.25
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●2018.6.1
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» 2017.3.3 省庁等交渉レポート最終回 個人情報保護委員会は機能しているか