マイナンバーはいらない

post by nonumber-tom at 2020.05.12 #280
新型コロナ対策 特別定額給付金 マイナンバーカード

給付金で窓口大混雑。申請は郵送で。
マイナンバーカードの交付は当面中止を。

 5月1日から始まった新型コロナ対策の特別定額給付金の申請で、各地でマイナンバーカードを使ったオンライン申請によるトラブルが起きています。政府がマイナンバーカードの利用・普及にこだわった結果です。
 早く給付を受けようとマイナンバーカードを申請しても、郵送より遅くなる可能性もあります。「三密状態」を避けるために、給付金申請は郵送で行なうよう市町村も呼びかけています。
 新型コロナで「ステイホーム」を呼びかけているにもかかわらず、一人10万円の特別定額給付金の申請で全国の市町村の窓口が大混雑になっています。原因は、マイナンバーカードを使ったオンライン申請です。
 共通番号いらないネットは声明「新型コロナ対策に便乗したマイナンバー制度の利用に反対する」1で、「マイナンバー制度の利用にこだわれば、かえって円滑な給付はできなくなる」と指摘しましたが、それが現実になっています。
 マイナンバーカードを普及させるために、短期間で無理にオンライン申請を始めた結果です。

大混雑の原因は、マイナンバーカードの電子証明書

 特別定額給付金には、3つの申請方法があります。  
  • 1)市区町村が受給権者(世帯主)に申請書類郵送→郵送で申請→口座振込
  • 2)マイナンバーカードを使いマイナポータルでオンライン申請→口座振込
  • 3)(口座がないなどやむを得なければ)窓口で申請受付→窓口で給付
     *窓口に行けばすぐ給付を受けられるわけではありません。
      条件や手続きは事前に市町村に問い合わせを。
 市町村の窓口が大混雑する原因になっているのは、オンライン申請に必要なマイナンバーカードのICチップに内蔵されている電子証明書を利用しようとしてトラブルが起きているからです。  
  • *早く給付を受けるためオンライン申請しようと、マイナンバーカード申請のために窓口へ。
    しかし交付まで今は約2カ月かかるので、郵送申請の方が早くなります。
  • *電子証明書の期限が切れていたので、更新申請しようと窓口へ。
    マイナンバーカードの有効期間は原則10年ですが、電子証明書の有効期間は5年(5回目の誕生日まで)で、今年1月から更新がはじまっていました。
  • *電子証明書の暗証番号がわからないため、再設定で窓口へ。
    マイナンバーカード受取りの際に設定した、署名用電子証明書の暗証番号(6~16桁)がオンライン申請には必要で、忘れた場合は市町村の窓口で再設定が必要です
  • *オンライン申請で暗証番号を誤入力してロックしてしまい、解除のため窓口へ。
    署名用は5回、利用者証明用は3回誤入力するとロックされます。解除のためには市町村の窓口に行く必要があります。  

地方公共団体情報システム機構のシステムトラブルが混乱に拍車

 混雑に拍車をかけているのが、マイナンバーカードや電子証明書を管理する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のシステムトラブルです。暗証番号の解除や設定などの増加に対応できず、たびたびシステムが止まり、市町村に来所した住民が長時間「三密状態」の中で待たされ、その日に手続きできず改めて来所を求めることも起きています。
 5月12日にJ-LISは、マイナンバーカードの電子証明書関係手続の混雑と処理遅延についてのお詫びを発表しましたが2、トラブルを解消できておらず、住民に混雑時間帯を避けて来庁いただくという無理なお願いをしています。
 J-LISは2016年のマイナンバーカード交付開始のときも、マイナンバーカード管理システムのトラブルを起こし、申請しても半年以上マイナンバーカードを受け取れないという事態を起こしました3
 2019年11月に電子証明書の更新受付が始まったときにも、更新ができないシステム障害が各地で発生しています。
 新しいことを行うたびトラブルを起こす機関が、マイナンバーカードを管理しています。

新型コロナの感染防止のため、郵送申請を

 オンライン申請は、市町村がシステムを準備していないと受け付けできません。急に実施がきまり、受付システムができた5月1日には1/3の市町村が利用できただけでした。現在、大部分の市町村が利用可能になっていますが、まだ未対応の市町村もあります 4
 利用可能な多くの市町村も、新型コロナウイルスの感染拡⼤防⽌のため、郵送申請を利用するようにお願いしています。
 最大の市町村である横浜市では、5月12日にオンライン申請受け付けを始めるにあたり、世帯主がマイナンバーカードを持っているか(世帯主以外が持っていてもオンライン申請はできない)、マイナンバーカードに署名用電子証明書を付加しているか、電子証明書は有効期限内か、暗証番号を把握しているか、マイナンバーカードに対応したカードリーダーなどを持っているか、などの条件を示し、条件が揃っていなければ郵送申請するよう呼びかけています5

オンライン申請すると、市町村も大変な負担に

 オンライン申請は、新型コロナ対応で多忙な市町村にも大きな負担をかけています。  郵送申請では、あらかじめ市町村で世帯構成員を印字した申請書を送付するため、スムーズに給付することができます。
 一方オンライン申請では、申請を受けて世帯状況を住民票で確認しなければならず、世帯主でない人からの申請や、給付対象者の中に住民登録されていない人が入力されていたり、二世帯住宅などで世帯を分けているのに同一世帯として申請している場合など、審査や訂正に時間がかかり振込ができなくなる場合もあります。東京のある区ではオンライン申請が数万件に及ぶ見通しで、「これからの作業を考えると正直地獄だ」と訴えたと報じられています6
 市町村の事務が増大すれば、それだけ給付が遅れます。速やかな給付のために、郵送申請の利用を市町村は呼びかけています。

医療現場から、マイナンバーカードの交付事務等の当面の中止を求める緊急要請

 神奈川県の開業医が加入する神奈川県保険医協会は、5月12日、「マイナンバーカードの交付事務等の当面の中止を求める緊急要請書」を、県と県内全市町村に提出しました7
 マイナンバーカードの新規発行や署名用電子証明書のパスワード再発行の手続きなどにより、市町村窓口に住民が殺到する事態が生じていることで、緊急事態宣言を受けて住民に外出自粛を呼びかけている自治体が、感染リスクの高い“3密”を作り出してしまうことは本末転倒であり、地域の医療崩壊のリスクを高めることになると指摘しています。
 そして神奈川県警が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月16日より運転免許証の更新等に係る業務を休止していることに倣い、当面、マイナンバーカードの交付や電子証明書の事務を中止することを求めています。
 全国の市町村もこのままでは混雑が解消しないので、一時、マイナンバーカードの交付や電子証明書の事務を中止すべきです。

通知カード廃止が、さらに混雑を招く。廃止の延期・中止を。

 このような中で、総務省は5月11日に省令を改正し、通知カードを5月25日から廃止することを明らかにしました8
 マイナンバーの利用事務では、マイナンバーを記入する際に提示する番号確認書類として、マイナンバーカードか通知カードかマイナンバーを記載した住民票写しの提示を求められています。マイナンバーカードが16%しか普及していないため、通知カードが多く利用されています。
 この通知カードがなくなると、マイナンバーカードの申請や住民票写しを取りに行くため、市町村の窓口がさらに混雑するおそれがあります。
 経過措置として、記載事項に変更がなければ通知カードを使用できますが、住所などが変わると使えなくなります。
 あえて緊急事態宣言のなかで、急いで通知カードを廃止して窓口の混雑を招く必要はありません。新型コロナの感染が収まるまで、廃止を中止・延期すべきです。

Note

*1 共通番号いらないネット 「声明 新型コロナ対策に便乗したマイナンバー制度の利用に反対する」 2020/4/21  

*2 地方公共団体情報システム機構 » 「【お詫び】マイナンバーカードの電子証明書関係手続の混雑と処理遅延について」 2020/5/12

*3 地方公共団体情報システム機構 » トラブルを報告するJ-LIS代表者会議資料 2016/6/22

*4 内閣府 マイナポータル »<オンライン申請の市町村対応状況> 参照

*5 横浜市のチラシ » 「特別定額給付金は郵送? オンライン/」

*6 朝日新聞デジタル » 「東京)マイナンバー暗証番号は? 給付金申請で役所混雑」 2020/5/9

*7 神奈川県保険医協会 » 「マイナンバーカードの交付事務等の当面の中止を求める緊急要請書」 2020/5/12

*8 » 通知カード

*トップページアイコンイラストのモデル : 埼玉・川越のくらづくり本舗さんの生菓子「アマビエ」。かわいいので思わずアイコンに描かせていただきました。

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