個人番号カードの交付は、カードを作成するJ-LIS（地方公共団体情報システム機構）のシステム・トラブルによって、申請しても何か月も受け取ることができない状態が続いています。
　また1月からは役所の一部の事務で、申請書類にマイナンバーの記入が求められるようになりました。事業者は社員や取引先などから集め、金融機関も一部の手続きでマイナンバーの提供を求めています。しかし行政も事業者も、準備が整わないままのスタートです。取扱いには曖昧なことも多く、トラブルも相次いでいます。
　マイナンバー制度は、社会保障と税の公平性などを理由に導入が決まりました。しかし今政府は、個人番号カードをつかったポイントサービスなど、まったく違う方向に利用拡大を図ろうとしています。何のためのマイナンバー制度なのか、疑問も広がっています。
　来年からは、いよいよ情報提供ネットワークシステムが稼働し、私たちの個人情報が、本人同意もないまま強制的に提供されるようになります。昨年6月の日本年金機構からの大量の個人情報漏洩を受けて、稼働開始が1月から7月に延期される見込みですが、制度の実施そのものを見直すべきではないでしょうか。
　個人情報保護を最優先に対応すると表明している世田谷区に対して、どのような対策を求めていくのか、ともに考えましょう。